設立趣意
近年、開発途上国 においては、自給自足的農業から輸出を目的とした単一作目農業へ転換されており、単一栽培の導入・展開によって、農地に散布される農薬の量は、年々増加する傾向にあります。農地に散布された化学物質はやがて河川水に流出し、富栄養化、水生植物の異常な成長、溶存酸素の減少、底泥や水環境への蓄積など下流域で深刻な環境問題を引き起こします。
また、開発途上国においては、食品や健康への影響を理解せずに、人々が農薬を使用するケースが多くみられます。そのため、現地農家を含む地元のステークホルダーの間で持続可能な農村開発への理解を促進し、高めることが必要となっています。持続可能な農村開発の目的は、自然環境を保護しながら人間のニーズを満たすことにあります。このことは、社会的・経済的な発展のみならず、自然環境の保全も推進する必要があり、単一の組織のみでは、持続可能な農村開発を達成することは非常に困難です。
この目標の達成には、自然科学や社会科学を始めとする学際的な分野と国際機関、政府や非政府組織による国際的な協力が必要不可欠です。大学や研究機関で蓄積された知識や知見を、政府や非政府組織によって推進されるプログラムの策定に供与することにより、社会的・経済的な発展に寄与することが期待されています。しかしながら、実際に現地で実施されたプログラムの成果やそこから得られた知見が体系化され、学会や学会誌においての公表や記録が十分なされているとは言い難い状況です。このような背景から、2010年に設立された国際農村開発学会は、開発途上国の農業と環境に焦点を当て、持続可能な農村開発に関して、適切かつ効果的なプロセスや戦略を議論し、その成果を現地に還元することを目的としています。国際農村開発学会は、自然環境と調和した社会的・経済的な発展を通じて持続可能な農村開発に貢献すること、そして学術的な知見や背景に依拠し、農村地域における現地政府や非政府機関の関係者の能力開発に資することを最終的な目標としています。
国際農村開発学会の沿革
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- 2010年3月 International Society of Environmental and Rural Development 発足
- 2010年3月『International Journal of Environmental and Rural Development』創刊
- 2020年8月 日本学術会議協力学術研究団体として指定
現在に至る
主な活動内容
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- 学会運営のための評議会の開催
- 研究大会の開催(International Conference on Environmental and Rural Development)
- 学会誌『International Journal of Environmental and Rural Development』の編集・発行
- 学会賞の授与
- 農村地域に対する持続可能な農村開発に係る啓発
連絡先
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- 国際農村開発学会事務局
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- 特定非営利活動法人 環境修復保全機構 (ERECON)
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- 本部
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- 〒195-0064 東京都町田市小野路町2987-1
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- 電話/Fax:042-736-8972
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- E-mail: iserd.secretariat@gmail.com
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- Webpage: www.iserd.net
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- 担当:上野